仕事中のふとした休憩時間、手が伸びるチョコレート。
家事の合間に、ついつい開けてしまうお菓子の袋。
「ちょっとだけ」のつもりが、気づけば袋が空っぽ…そんな経験、あなたにもありませんか?
1人時間の解放感から、ついついお菓子に手が伸びてしまう。
在宅ワークで誰にも見られない日中。コーヒーを入れたついでに、棚からチョコ。
気付いたら食べきってしまって、「またやってしまった。。」とため息
お菓子をやめられないのは私の意志が弱いから?
「これって依存?」「やめたいのに」
でも大丈夫。
お菓子をやめられないのは、「意思」のせいではなく、「脳と環境のしくみ」によるものです。
この記事では「見せない・責めない・ズラす」という3つの習慣デザインで、自然にお菓子をやめる流れを作る方法をご紹介します。
おかしをやめられない原因は「見えてるから」だった

「お菓子をやめられない」本当の原因は、意外と知られていないかもしれません。
私たちは、目に見えている物を「そのまま認識している」と思いがちですが、実は、視界に入った情報をどう受け取るかは、脳が決めているのです。
つまり、私たちは「眼」ではなく「脳」で見ているーー
これは認知科学でも明らかになっている事実で、
集中力や注意力、そして食欲のコントロールにも大きく関わっています。
例えば、目の前にチョコレートが置いてあったとします。
意識していないつもりでも、脳は「それを優先的に認識し、
「あっ食べたいな」と無意識に反応してしまうのです。
「見えたものに強く意識が向かう」脳の働きを、「選択的注意」と呼びます。
これは、目に入ったものを無意識に優先し、それ以外の情報をシャットアウトしてしまう機能です。
こんな経験はありませんか?
「今日は見るだけ」と思って入ったアクセサリー屋さん。
可愛いイヤリングやキラキラした指輪を見ているうちに気づけばレジに並んでいた…
買うつもりはなかったのに、見たことで欲しくなった。
これがまさに、選択的注意による脳の自然な反応です。
お菓子も同じ。
「お菓子を見た=食べたくなる」は非常に自然な脳の反応なんです。
意思が弱い訳でも、依存してるわけでもありません。
だからこそ、「見せない工夫」が習慣改善の第一歩なのです。
習慣を変えるカギは“見せない・責めない・ズラす”

「お菓子をやめられない…」
そんな習慣を変えるためのカギは、「見せない・責めない・ズラす」の3ステップにあります。
ここからは、日常に取り入れやすい具体的な行動をご紹介します。
STEP1|おかしを「見せない」環境をつくる
本当は「お菓子を家に置かない」のが理想ですがm
子どものおやつ・来客用・いただきもの、そして頑張った日のご褒美など…
お菓子と切っても切れないのが、今の暮らし。
だからこそ、「見えないようにする」ことが第一歩になります。
脳は「見たもの」に反応してしまうから、見えなければ「食べたい」も生まれにくくなるのです。
こんな工夫からしてみましょう!
シチュエーション | 見せない工夫 |
---|---|
冷蔵庫を開けるとプリンが目に入る | → ボックスにまとめて「おやつタイム用」とラベリングして収納 |
棚にお菓子が並んでいる | → 中身が見えない布袋に入れる or 引き出しの最下段へ |
「ここにある」と分かってしまう | → ふせんに「本当に今食べたい?」と書いて貼っておく |
こうすることで、見るたびに無意識にお菓子を意識してしまうのを防ぎ、本当に食べたい時だけ手に取る習慣が生まれます。
コーヒーと一緒に甘いものが欲しくなる人は…
「コーヒー=チョコ」のセットは、心の癒しルーティン。
いきなりやめるのではなく、置き換えから始めてみるのがコツです。
置き換えアイデア | ポイント |
---|---|
ナッツやドライフルーツ | 噛むことで満足感◎ |
小さなビターチョコ1粒だけ | 「ゼロ」じゃなく「ちょっとだけ」で自責を回避 |
ハーブティー+お気に入りカップ | 味覚と気分をリフレッシュする選択肢に |
「見えなければ、欲しくならない」
まずは1つ、「目に入らない工夫」から始めてみませんか?
STEP2|おかしを食べても「責めない」マインドに切り替える
お菓子を食べてしまった自分に対して
「なんてダメなんだ…」と責めた経験はありませんか?
そのストレスがまた新たな「食べたい」と呼び
結果としてまた食べてしまうーーまさに負のループ。
実はこの「自己否定の習慣化」こそが最大の敵なんです。
だからこそ、食べてしまった日こそ「リセットのチャンスに変えていきましょう。
ポイントはたった一つ、「記録すること」です。
✔何を食べたか
✔どうして食べたか(気持ちやきっかけ)
これだけを、スマホ・手帳・付箋などに軽くメモするだけでOK。
例:食べた直後に罪悪感で落ち込んだとき
→「14:30 チョコ 疲れ」
「10時 クッキー 棚に見えたから」
「21時 テレビを見ながら無意識に」
最初は「意味あるの?」と思うかもしれません。
このようにメモを取ることで、どんな時に、どんな気持ちで、何を食べたのかが客観的に見えてきます。これは、あなたの習慣を理解するための大切なデータになるんです。
なんとなく食べていたつもりが、「いつ」「どこで」「どんな気分で」食べているかが分かるようになると、自然と改善のヒントが見えてきます。
そして何より、「続けられなかった」ではなく「向き合えた私」に気づけることが、次の行動への小さな自信につながっていくんです。
STEP3|おかしを「ズラす」タイミング&行動ルールを持つ
「つい」「なんとなく」手が伸びてしまうお菓子。
その瞬間は、自分でも履修が分からないほど無意識だったりします。
小腹が空いてふらっとキッチンへ。
子どもと一緒におやつ時間ーー
お菓子の誘惑が現れるタイミングは、人によって様々です。
そんな時試してほしいのが、「15分ズラす」ルール。
「私たちの強い衝動は、数分から十数分でピークを過ぎることが多いと言われています。まずは「15分後に決めよう」と一度保留してみてください。意外と15分後には気がそれていたり、食べたい気持ちが落ち着いていたりするはずです
✔ズラす・置き換える:こんな工夫ができます
シチュエーション | ズラし・置き換え事例 |
---|---|
午後になると甘いものが欲しくなる | → ハーブティー+お気に入りのカップで“ご褒美感”を代用 |
子どもと一緒におやつ時間 | → 自分はナッツ or ドライフルーツに“あらかじめ決めておく” |
作業中に集中力が切れてきた | → 15分だけ他の作業 or ストレッチに切り替える |
小腹がすく時間帯 | → ゆで卵/味付き昆布/ヨーグルトなど“非お菓子リスト”を準備しておく |
ポイントは「お菓子を禁止する」のではなく「代わりの選択肢を持っておく」こと。
決まった時間に欲しくなるなら、その前に温かい飲み物を飲む習慣を入れてみたり、
「この時間はこれをたべる」と先に決めておくことで、心の準備ができるようになります。
習慣はズラすことで緩やかに整えていけます。
習慣は“意志”より“しくみ”で変えられる

「お菓子をやめられない」のは、あなたの意思が弱いからではありません。
私たちの行動は、「脳」と「環境」の影響を強く受けています。
だからこそ、「見せない・責めない・ズラす」という仕組みを使えば、自然と変わっていくことができるんです。
今日からできる小さな工夫の積み重ねが、
明日の「お菓子、食べなかったかも」に繋がっていきます。
まとめ|今日からできる、おかしをやめられない自分とのやさしい付き合い方

いかがでしたでしたか?
「お菓子をやめられない…」という悩みも
あなたの意志が弱いせいではなく、脳と環境の仕組みが関係していることがお分かりいただけたかと思います。
まずは、今日からできる「お菓子の置き場所を変える」という小さな一歩から始めてみませんか?
見える・手に届く場所から、視界に入らない場所へ。
このたった一つの工夫が、あなたの明日をちょっとラクにしてくれるはずです。
その一歩が、あなたの明日をちょっとラクにしてくれるはずです。
「やめる」ことばかりに意識を向けるのではなく、「変えていく」という優しい視点で、あなたらしい習慣を一緒に見つけていきましょう。